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2015.12.19

映画『ピアニスト』

こんにちは、柿本です。

 

今日は映画のお話!

この時期(忘年会シーズン)はいろんな方たちと食事を共にすることが多いのですが、

先日は映画の話で盛り上がりました。

お酒も、文学も、映画も、僕はそれなりに詳しい方かなぁと漠然に思っていましたが、

世の中にはどのジャンルにおいても、その道のスペシャリストがいますね。

お話を聞いてると、博識さに感激してしまいます。

 

今回はそんな方にご紹介頂いた一本!!

 

ミヒャエル・ハネケ監督 『ピアニスト』

フランスの映画です。

 

さっそく観てみましたが・・・

衝撃的です!!  もうびっくり。

ミヒャエル・ハネケ監督の作品は「観ていて辛くなる」や「後味が最悪」等の感想が多いようですが、

この映画もまさにそのような作品です。後味・・最悪・・・

(ちなみにR-15指定です。お子様といっしょには観ないように!)

 

主人公は幼少のころからピアノの英才教育を受けて育ったエリカ。

現在はウイーン国立音楽院の教授です。

判で押したような真面目な女性。冗談も通じない。

40歳を過ぎた今でも母親と二人暮らし。

その歳になりながらも、帰りが遅いだけでイライラする母親。

 

そのように育ったエリカには、誰にも言えない内面が・・・

 

人は産まれた時から「核」みたいなのがあって、

そのまわりに知性やら品性みたいなのをペタペタ貼り付けて

大人になっていくのかなと僕は思います。

成長過程でその核に何からの抑制(圧力)がかかると、

違う部分が突出して現われてくるのではないでしょうか。

(押された勢いで、違う部分が飛び出しちゃう感じ。)

それは暴力的なことだったり、異常な趣味だったり。人さまざま。

でもそれって、エリカほど極端ではないにしろ、どんな人にも

まわりの人とはちょっと違う、そんな性質を持っているのかなと思います。

異常とは言えないレベルであれば、何気なく生活しているでしょうが、

大半の人は程度の差こそあれ、コンプレックスとして内面に持ち続けています。

 

しばしば、フィクションの世界(映画にしろ文学にしろ)では極端な例を用いて、

人が持つ「その」内面をグサグサと穿り返して表現します。

19世紀のロシア文学などは、まさにその代表格ですね。

そのような作品を目の前したとき、僕らは後味の悪さを覚えのかもしれませんね。

そして同時にそのような作品を求めてしまう。

 

とても素晴らしい映画でした。

皆さまもぜひ☆