こんにちは、柿本です。
今日は映画のお話!
この時期(忘年会シーズン)はいろんな方たちと食事を共にすることが多いのですが、
先日は映画の話で盛り上がりました。
お酒も、文学も、映画も、僕はそれなりに詳しい方かなぁと漠然に思っていましたが、
世の中にはどのジャンルにおいても、その道のスペシャリストがいますね。
お話を聞いてると、博識さに感激してしまいます。
今回はそんな方にご紹介頂いた一本!!
ミヒャエル・ハネケ監督 『ピアニスト』
フランスの映画です。
さっそく観てみましたが・・・
衝撃的です!! もうびっくり。
ミヒャエル・ハネケ監督の作品は「観ていて辛くなる」や「後味が最悪」等の感想が多いようですが、
この映画もまさにそのような作品です。後味・・最悪・・・
(ちなみにR-15指定です。お子様といっしょには観ないように!)
主人公は幼少のころからピアノの英才教育を受けて育ったエリカ。
現在はウイーン国立音楽院の教授です。
判で押したような真面目な女性。冗談も通じない。
40歳を過ぎた今でも母親と二人暮らし。
その歳になりながらも、帰りが遅いだけでイライラする母親。
そのように育ったエリカには、誰にも言えない内面が・・・
人は産まれた時から「核」みたいなのがあって、
そのまわりに知性やら品性みたいなのをペタペタ貼り付けて
大人になっていくのかなと僕は思います。
成長過程でその核に何からの抑制(圧力)がかかると、
違う部分が突出して現われてくるのではないでしょうか。
(押された勢いで、違う部分が飛び出しちゃう感じ。)
それは暴力的なことだったり、異常な趣味だったり。人さまざま。
でもそれって、エリカほど極端ではないにしろ、どんな人にも
まわりの人とはちょっと違う、そんな性質を持っているのかなと思います。
異常とは言えないレベルであれば、何気なく生活しているでしょうが、
大半の人は程度の差こそあれ、コンプレックスとして内面に持ち続けています。
しばしば、フィクションの世界(映画にしろ文学にしろ)では極端な例を用いて、
人が持つ「その」内面をグサグサと穿り返して表現します。
19世紀のロシア文学などは、まさにその代表格ですね。
そのような作品を目の前したとき、僕らは後味の悪さを覚えのかもしれませんね。
そして同時にそのような作品を求めてしまう。
とても素晴らしい映画でした。
皆さまもぜひ☆