こんにちは、柿本です。
東日本大震災から今日でちょうど4年です。
まだまだ記憶に新しいですね。
原子力発電所の問題って、どうなったのでしょうか?
何も解決してないですよね。 議論も消えかかってる気が…
原発に対して、「反対」や「賛成」や「どっちでもいい」など様々な意見があると思いますが、
風化させないためにもちょっと考えてみようと思います!
核のことを知りたくて読んだ一冊。
『核兵器のしくみ』 (講談社現代新書)
この本を読んで思ったこと。
原子力発電も核兵器も基本原理は同じだってことです。
そう!同じなんです!
詳しくは本書を読んでいただければ分かりますが、
どちらもその基本原理は「核分裂連鎖反応」です。
つまり、原子力発電所の知識を持った国は、原理的には核爆弾も作ることができます。
(原子炉は制御棒で核分裂連鎖反応を抑制してるので、厳密には全く同じではありませんが。)
そのことを考えたとき、思い出すことがあります。
作家の村上春樹さんがカタールニャ国際賞の授賞式で行ったスピーチです。
YouTubeでも聞けますので、ほんの一部抜粋します。
広島にある原爆死没者慰霊碑にはこのような言葉が刻まれています。
「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」
素晴らしい言葉です。
我々は被害者であると同時に、加害者でもある。
そこにはそういう意味がこめられています。
核という圧倒的な力の前では、我々は誰しも被害者であり、
また加害者でもあるのです。
その力の脅威にさらされているという点においては、
我々はすべて被害者でありますし、
その力を引き出したという点においては、
またその力の行使を防げなかったという点においては、
我々はすべて加害者でもあります。
・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・
我々日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。
それが僕の意見です。
善し悪しは別として、結果だけ見ると、
高度経済成長のために日本人は “効率” を優先し、核を選択しました。
核分裂連鎖反応。
「過ちは繰り返しませんから」
原爆での犠牲者を考えると、
核なんて間違ってる!って大声で叫びたいところですが…
本当に原子力発電を全面否定して良いのか。僕には答えが分かりません。
原発があったからこそ今があるのかもしれない。
原発は高度成長を成し遂げることができた一因ですよね。
「今」が過去の積み重ねでなりたっていることを考えると、
歴史を否定することは難しいです。
日本は世界でも有数の原発保有国です。
そして経済的にも豊かな国です。
東京都心のネオン煌めく美しい夜景を見ると、そのような思いも込み上げてきます。
核分裂連鎖反応は確かな技術力でコントロールされているはず。
もし100%安全ならば、本当にコントロールされているのならば、
原子力発電所という効率的なシステムは間違いではないのかもしれません。
事故が起こってしまった今、どう考えるべきか…
そしてそして、もう一つの問題。
高レベル放射性廃棄物はどうやって処理されるのか…
処分方法なんてありません。地中深くに埋めてるだけです。
それは次の世代に引き継いでいくしかないんですよね。
原発に対して賛成するにしても、反対するにしても、
過去を「否定」するのではなく、「批判」する姿勢が大切かもしれませんね。
皆さまも少し考えてみませんか。
2015年3月11日
東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。