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2015.04.28

運送会社の小説『空飛ぶタイヤ』

こんにちは、柿本です。

 

またまた池井戸潤作品のご紹介です。

今回の主役は運送会社の社長!

なんか親近感湧きますね。

運送会社が出てくる小説って本当に少ない気がします。

 

『空飛ぶタイヤ』

 

タイヤの脱輪事故により、死亡事故が起きてしまうところから小説は始まります。

(おそらく数年前に実際に起きた事故を題材にしてると思われます)

脱輪の原因は何だったのか。

 

トラックメーカーが出した結論は、

「整備不良」

構造上の問題、所謂リコールでは決してないと。

 

この小説の運送会社は、自社で全てトラックの点検整備を行っていました。

(運送会社は車検とは別に、日々の日常点検、3ヶ月ごとの点検を行わなければなりません。)

つまり事故の原因は、全て運送会社側の管理問題という結論を出したわけです。

 

大手自動車メーカーのリコール隠し。

顧客との取引停止。

圧迫する資金繰りの中、銀行の貸し渋り。

 

そのような過酷な運命の回路に翻弄されながらも、

社長は戦うことを決意します。

整備不良ではない。これはリコール隠しだ、と。

 

ヒーローの世界のように必ず正義が勝つとは限らないのが、

世の常ですが・・・

(むしろ、往々にして権力を持つ側が正しいという結論になる)

自分が正しいと思うことを貫き続ける話は感動を生みますね。

ましてや、それが社会的弱者側の立場であればなおです。

この話がどういう結末をむかえるか、気になる方は手に取ってみて下さい!

 

 

権力を目の前にしたとき自分がどういう立場をとるか…

村上春樹さんがエルサレム賞受賞の際に行ったスピーチに

こんな一言がありました。

「もし、硬くて高い壁と、

そこに叩きつけられている卵があったなら、

私は常に卵の側に立つ」

どちらが正しいか正しくないかは別として、

卵の側に立つのは簡単なことではありません。

それ相応のリスクを背負わなければなりませんから。

まぁ・・・

ちょっとややこしい話になりそうなのでこの辺で辞めておきます。笑

 

『空飛ぶタイヤ』、物流業界に関わる方はぜひ~

では、また。

 

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