こんにちは、柿本です。
日常的に読書をしていると、稀にずっしりと心に残る小説に出会うことがあります。
読後も尾を引くように頭の片隅から離れないような。
今日はそんな一冊のご紹介です。
『極北』 マーセル・セロー著
英米文学も好きで、メルヴィルやヘミングウェイから最新のまでいろいろ読んでますが、
マーセル・セローという作家は知りませんでした。
本の帯に書いてある内容を読んで 「おっこれは面白そう!」 と。
翻訳は作家の村上春樹氏。
彼が紹介する英米文学の作家はほとんどハズレがありませんね!
(余談ですが、前東京大学教授の柴田元幸氏が翻訳する小説も大概おもしろいです。)
『極北』は、そのタイトルの通り、北の最果てで一人生き延びた女性の物語です。
終焉を迎えようとしている世界。
そこではモノが壊され、常識が壊され、そして人が壊されていきます。
それと同じものを私たちは戦争のときに感じ、
また近年では東日本大震災のときに感じたのかもしれません。
論文ではないので、多くは書きませんが…
深く深く考えさせられる一冊です。
凍死寸前にシャツを脱ぐだなんて信じがたいですが、
自分ならどう行動するだろうか、と。
そのような極限状態で、一般的にいう常識が通用するのでしょうか。
世界の終焉(絶望的な世界)という意味では、
『最後の物たちの国で』(ポール・オースター著) でも同じような思いを感じました。
読書が好きな方は、こちらもぜひ!
機会があれば、ポール・オースターも紹介したいですね。
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