こんにちは、柿本です。
ウイスキーブログ第2回目です。
今回もジャパニーズ・ウイスキーを! (前回はニッカだったので、今回はサントリー)
今年の4月にシングルモルト『山崎』ブランドよりギフト限定商品が発売されました。
『山崎 LIMITED EDITION 2014』
ボトルデザインもかっこいいし、サイトでの紹介を読んで興味がわいたので購入。
そのサイトはこちら → 山崎 LIMITED EDITION 2014
ギフト限定の「山崎LIMITED EDITION」は、シェリー、ポートといった美酒を育んだヨーロピアンオークの樽で20年以上熟成した希少な山崎モルトを使用。アメリカンオークの若く活き活きとした原酒を組み合わせることで、甘やかでなめらかで複雑なシングルモルト山崎になりました。初めの一杯は是非ストレートでお愉しみください。
ほうほう。
と言いつつも、若い原酒の方がメインなんじゃないのかなぁ・・・
期待半分、不安半分で試してみました。
いや、これ!美味しいですよ!
確かに若い原酒特有のツンとした感じはあるけど、全然嫌味じゃない。
複雑で甘く芳醇な味わいを楽しめます。
さすがですね。日本のモノ作りに感動です!
ところで、この『山崎 リミテッドエディション 2014』には熟成年数の表記がありません。
所謂「ノンエイジ」と呼ばれるウイスキーです。
最近では、サントリーの『山崎』と『白州』では「10年」を終売し、ニッカの『竹鶴』では「12年」を終売して、「ノンエイジ」の新商品を発売しました。また日本で大人気のマッカランも「ノンエイジ」商品を発表しましたね。
そもそも「10年」などの年数表記にどんな意味があるのでしょうか。
実は「10年」と表記した場合、10年熟成した原酒だけを瓶詰しているわけではありません。正確には10年以上。その商品のコンセプトによっては20年以上の長期熟成の原酒を10年モノに混ぜている場合もあります。ただし10年未満、たとえば5年熟成の原酒を1滴でも混ぜると、商品の表記は「5年」にしなければなりません。(割合は関係ありません)
そのようなわけで、若い原酒や熟成させた原酒など、多彩な原酒を混ぜた複雑な商品を出したければ「ノンエイジ」にするしかありません。
もう一つ。単純に10年未満の若い原酒を思う存分使えるので、メーカーサイドとしては安定供給しやすいとい利点があります。蒸留してから10年以上も商品にならないのでは、モノ作りとしては非効率と言わざるをえませんから。
あとは単純にウイスキーブームの影響で、そもそも原酒が枯渇してきてるのかなって思いもあります・・・
ちなみに今回のリミテッドエディションに関しては、『山崎12年』よりも高価格で設定されていますし、効率よりも多彩な原酒を使用した面白いモノ作りをコンセプトにしてると思います。
ところで、長期熟成が必ずしも良いとは限りません。一般的に熟成が長ければ長いほど、アルコールの刺々しさがなくなり丸く穏やかな味わいになります。ただし、熟成させる樽の種類や原酒によっては長期熟成させない方が良い場合もあります。
ウイスキー作りって難しいですね。
余談ですが、「10年」と表記されたウイスキーを自宅でもう8年保管してても「18年」にはなりません。「山崎 10年」は何年経っても「山崎 10年」です。(経年劣化は別として。)
その理由は2つあります。1つはウイスキーは樽でしか熟成しないということ。瓶詰された瞬間に熟成はとまります。そして2つ目は、そもそも「10年」と「18年」では使用している(混ぜている)原酒の種類が違います。コンセプトを変えて販売していることが多く、使用する熟成樽の構成を変えていることが多いですね。たとえば、ジャパニーズ・ウイスキーでは長期熟成品はシェリー樽使用の比率が高いと思います。
長くなりましたので、熟成樽のお話はまた次回に!
(こんなことばかり書いてると、「物流の勉強をしなさい!」と怒られそうですね…笑)
では。
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