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2014.06.04

百田尚樹とオオスズメバチ

こんばんは。読書が趣味の柿本です。

 

少し前の話になりますが、『永遠の0』のベストセラー&映画の大ヒットにより、

作家 百田尚樹さんの名前は一躍有名になりましたね。


『永遠の0』のテーマである戦争、家族愛、友情…

そういったところが現代の日本人にうまい具合にマッチしたのかもしれません。

零戦が大好きなぼくにとっては嬉しいかぎりです。

(ちなみに映画は未だに観てませんが…)


すごいですね、百田尚樹さん。

その後、書く小説、書く小説みんなベストセラーになってるんじゃないでしょうか。

斯く言うぼくも、古本屋などで見つけてきては読み漁ってます。



遅咲きの作家さんのようですが、ストーリーテラーとして人を惹きつける物語作りは、

近年の日本人作家の中でも図抜けていると思います。


ちなみに現時点での百田尚樹さんの最高傑作は…

昨年、本屋大賞を獲得した『海賊とよばれた男』でしょうか。

出光興産創業者の半自伝的小説。

戦後を生きた偉大な日本人の半生を知ると、胸が熱くなりますね。

会社の収入が0になるかもしれない絶望的な状況下でも、馘首せず人の力を信じ続けた男。

題材選びも素晴らしけば、その展開創りも素晴らしい。


『海賊とよばれた男』も素晴らしい小説ですし、もちろん『永遠の0』も良い、

そして高校ボクシンブ部を題材にした『ボックス』…

どれも甲乙つけがたいですが、ぼくがお薦めしたい一冊はこれです!


『風の中のマリア』

オオスズメバチが主役の物語。

そう、あの蜂さんです。ブーンって飛んでるやつ。

なので、人間は出てきません。蜂さんのお話ですから。


オオスズメバチと言っても、その主役は、女王バチではなく “ハタラキバチ” の方です。

命はたったの30日。子を産むこともなく、もちろん恋なんてすることもなく、

働くことだけに生涯を捧げる命。

理不尽かとも思えるその30日間の生涯を力強く、そして儚く書き綴ってます。

この小説を読むと胸がキューっと締め付けられるような不思議な感覚に襲われますね。

 

そして、オオスズメバチの生態系にかなり詳しくなれます(笑)